私たちは日々の生活の中で、ふとした瞬間に「イラッ」「モヤッ」とした感情を抱くことがあります。
そんな時、無理にポジティブに振る舞ったり、感情にフタをしたりしていませんか?
本当の意味で心を整えるためには、自分の内側で起こっている声を丁寧に聴き、寄り添う「自己対話」が必要不可欠です。
本記事では、感情を正直に受け止め、真実の気持ちに辿り着くための自己対話のステップをご紹介します。
1. 「第一反応」を見逃さない
まず大切なのは、感情が動いた“最初の反応”に気づくことです。
たとえば、誰かの発言や行動を見て「真似された!」と感じてモヤモヤしたとします。
この瞬間の感覚を「いや、そんなこと思う自分は小さい」などと打ち消そうとすると、自分が何を感じているのか分からなくなっていきます。
湧いてきた感情を否定せず、「これが私の本音だな」と正直に受け止めることが第一歩です。
2. 感情を分解する
次に、「なぜそれが嫌だと感じたのか?」を問いかけてみましょう。
「真似された」と思って嫌な気持ちがした →なぜ? →「大切にしているものを取られた気がするから」 →「自分の価値が薄まる気がしたから」
このように、自分の中にある「思い込み」や「前提」に気づくことができます。
3. 自分の思考がつくり出す“世界”を見直す
ここで重要なのは、「取られる」「減る」という考えが本当に真実なのか、問い直すことです。
「自分が好きなケーキを食べて満足しているとき、他の人が同じケーキを食べていても、何とも思わないはずだ」という視点に立てば、「取られる」という前提は幻想だと分かります。
本当に気分がいい考えは、「大切なものは無限にあるし、私はいつでも満たされている」なのです。
4. 自分の内側に“ガイド役”を登場させる
感情を受け止めたあと、思考を導いてくれる存在が必要です。
これを「優秀な男性性」と呼びます。
これは「答えを教える存在」ではなく、「ただ見守り、寄り添い、問いかけを通じて真実へ導いてくれる存在」です。
たとえば、 「それは本当にあなたの真実?」「その考えは、あなたを幸せにしている?」と問いかけてくれるような、内なるナビゲーターの存在です。
5. 真実の“本音”にたどり着く
感情の渦に巻き込まれず、問いかけを重ねていくことで、最終的にたどり着くのは次のような感覚です。
- 「それぞれが大切なものは無限にあり、私はいつでも十分に満たされている」
- 「誰にも奪われるものなんてない」
- 「私は安心していていい。自由でいていい」
この状態が、心がスッと落ち着く「本音=真実の声」なのです。
6. 偽りの本音に注意
自己対話に慣れていないうちは、「本音」と思っていたものが、実は“暴走したエゴ”による偽りの本音だった、というケースもあります。
「取られる」「奪われる」「真似された」といった感情は、心が不安や欠乏を前提にしているときに現れがちです。
このような感情が湧いたときほど、丁寧に自己対話を行い、自分にとって心地よい考えを選ぶようにしていきましょう。
7. 自己対話は「無理やり前向き」ではない
自己対話は、嫌な気持ちを抑え込んで無理に前向きになる作業ではありません。
むしろ「その感情が出てくるのには理由がある」と認め、一段ずつ丁寧に心の階段をのぼっていく作業です。
これを繰り返すうちに、感情の波に飲まれる時間が少なくなり、自分を整える力が育っていきます。
まとめ
自己対話とは、自分の中に湧くすべての感情に対して、「なぜそう思ったの?」と優しく問いかけていくプロセスです。
真の安心や満足感は、「誰かに理解されること」ではなく、「自分が自分を理解している状態」から生まれます。
あなたも今日から、自分の中にいる“ガイド”と共に、丁寧な自己対話を始めてみませんか?
