かつて「引き寄せの法則」は、スピリチュアルや自己啓発の代名詞のような存在でした。
「思考が現実を創る」「ポジティブな波動が幸運を呼ぶ」といった考えは、多くの人の心をつかみました。
しかし、その実践に疲れてしまった人も少なくありません。
頭で考え、思考をコントロールし、感情を抑えようとするうちに、「理想の自分を追いかけ続ける苦しさ」に気づいた人が増えているのです。
そんな中で、ハッピーちゃん(竹腰さち)という存在が、引き寄せの概念を“次のステージ”へと進化させています。
彼女が提唱するのは、「言葉」ではなく「身体」から現実を動かすという新しい視点。その核心にあるのが「震え」という感覚です。
第1章 言葉で現実を創る時代の終わり
1-1. 「引き寄せ」は“頭”の中の現実操作だった
従来の引き寄せの法則は、「思考が現実を創る」という前提に立っています。
ポジティブな言葉を使い、理想のイメージを描くことで現実を引き寄せる。
これは非常にパワフルな考え方でしたが、同時に“頭で自分を操作する”方向に傾きがちでした。
「ネガティブなことを考えてはいけない」「波動を下げてはいけない」と自分を制御しようとすることで、逆に苦しくなる――そうしたジレンマを経験した人も多いでしょう。
1-2. ハッピーちゃんが気づいた“言葉の限界”
ハッピーちゃん自身も、初期の活動では「言葉の力」を重視していました。
彼女のブログ『世界は自分で創る』は、まさに言葉の魔法で多くの人を励まし、現実を変える力を示してきました。
しかしある時、彼女は気づきます――「言葉はあくまで指標にすぎない」。
いくらポジティブな言葉を重ねても、身体が固まり、心が動いていなければ現実は変わらない。
頭で創ろうとする世界から、身体が感じる世界へ。その気づきが、彼女を「震え」というテーマへと導きました。
第2章 “震え”とは何か――身体が語る真実
2-1. 震えは「存在の反応」
ハッピーちゃんが言う“震え”とは、感情や興奮の震えではありません。
それは、存在そのものが共鳴しているときに起こる、微細な感覚のことです。
何かに深く感動したとき、あるいは本当に自分らしい選択をした瞬間――身体の奥がふるえるような感覚。
それが「存在の震え」です。
この震えは、努力して起こすものではありません。
むしろ、思考のコントロールを手放した瞬間に自然に起こるもの。ハッピーちゃんは「その震えこそが、現実を動かす本当の波動」と語ります。
2-2. 思考ではなく“共鳴”が現実を創る
従来の引き寄せでは、「ポジティブ思考」や「言葉の力」が重視されてきました。
しかし、ハッピーちゃんの視点では、それらは“表層の波”にすぎません。
彼女が注目するのは、身体の奥で感じる共鳴です。
「存在の震え」とは、宇宙と自分が同じリズムで震えている感覚。このとき、言葉を超えた領域で現実が動き出します。
彼女の言葉を借りれば、「思考で創る現実は小さい。存在で震えると、世界が勝手に動く」。
第3章 身体で引き寄せる――実践としてのMOMED
3-1. MOMEDとは何か
ハッピーちゃんの近年の活動の中核をなすのが「MOMED(モーメド)」です。
これはMoment(瞬間)と God(神性)を掛け合わせた造語で、「今この瞬間に神性が宿る」という意味を持ちます。
MOMEDは、身体を通して「今ここ」に完全に在ることを体感するメソッドでもあります。
MOMEDでは、頭で理解するのではなく、身体を通じて“存在の波”にチューニングします。
音楽、呼吸、ダンス、瞑想――そのいずれもが「震え」を引き出す手段です。
3-2. 「感じる」ことがすべての始まり
MOMEDの実践では、思考の操作やポジティブな自己暗示は一切行いません。
その代わりに、「今、自分が何を感じているのか?」を丁寧に観察します。
悲しみ、喜び、怒り、緊張――どんな感情であれ、否定せずに身体で感じ切る。そうすると、やがてその感情がエネルギーとなって震え始めます。
その瞬間、「感情」は「存在の波」に変わります。ここに、引き寄せの法則の新しい形が見えてきます。
第4章 「引き寄せる」から「共鳴する」へ
4-1. 願いを叶えるより、“今”と響き合う
従来の引き寄せの法則は、「願いを叶える」ことを目的としていました。
しかしMOMEDでは、願いを叶えようとすることさえ手放します。ハッピーちゃんはこう語ります――
願いは“震え”の副産物です。存在が震えているとき、自然に必要な現実が動き出します。
つまり、現実を操作するのではなく、“今この瞬間”と響き合う。その結果として、現実が自然に整っていく。
これが彼女の考える「身体性としての引き寄せ」です。
4-2. 「波動を上げる」はもういらない
「波動を上げる」という言葉も、スピリチュアル界で頻繁に使われてきました。
しかしハッピーちゃんは、その発想自体が“上下”という二元的な分離を生むと指摘します。
MOMEDの世界では、波動を上げる必要はありません。
なぜなら、すでに存在そのものが完璧だからです。
重要なのは、“波動を整える”ことではなく、“波動を感じる”こと。震えに気づくことこそ、最大の調和です。
第5章 身体性がもたらす変化
5-1. 「考える私」から「感じる私」へ
身体を通して存在を感じるとき、人は自然に思考中心の生き方をやめていきます。
「どう生きるか」ではなく、「いま、生きている」ことが中心になります。
その変化は、思考の枠を超えた安心感と、深い静けさをもたらします。
5-2. 現実が“軽く”なる
MOMEDの実践者たちは、「現実が軽くなった」「頑張らなくても流れに乗れるようになった」と語ります。
思考を超えて身体と共鳴して生きるとき、現実は努力ではなくリズムで動くのです。
5-3. 社会との関係が変わる
ハッピーちゃんはMOMEDを「共創の波」と呼びます。
これは、他者と競争するのではなく、共に響き合う社会のあり方です。
教育やビジネス、アートなど、さまざまな分野にMOMED的な発想が広がりつつあります。
第6章 ハッピーちゃんが伝えたいこと
ハッピーちゃんのメッセージは一貫しています。
頭で生きるのをやめて、身体で震えてください。生きること自体が奇跡です。
彼女が提唱する「身体性としての引き寄せ」は、スピリチュアルというより、人間の根源的な生き方に近いものです。
言葉や思考を超えて、“生命そのもの”に触れる。その震えが、現実を動かす――。
ハッピーちゃんのシフトは、引き寄せの法則の「最終形」とも言えるでしょう。
引き寄せはもう、頭の中の理論ではありません。私たちが“今ここに在る”こと、その震えこそが、最大の創造なのです。
おわりに――身体が語る「真の引き寄せ」
「引き寄せの法則 × 身体性」というテーマは、一見するとスピリチュアルな響きを持ちます。
しかし、その本質はとてもシンプルです。
思考を超え、存在として生きる。身体を通して、今この瞬間を感じる。その震えが、宇宙と共鳴し、現実を変えていく――。
ハッピーちゃんの発信は、私たちが忘れていた「感じる力」を思い出させてくれます。
努力でも、ポジティブ思考でもなく、ただ“在る”ということ。
その震えの中で、人生は自然に流れ始めます。