「葉酸は大切」とよく聞くけれど、
- 「なぜ必要なの?」
- 「どのサプリを選べばいいの?」
と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
葉酸は、胎児の正常な発育を支え、妊娠の維持をサポートする上で非常に重要な栄養素です。
しかし、葉酸はただ摂れば良いというものではありません。
サプリメントによって「天然葉酸」と「合成葉酸」の違いがあり、吸収率を高めるための栄養素との組み合わせが重要で、選び方によってその効果に大きな差が出るのです。
この記事では、葉酸の基本的な働きから、妊娠期に必要な摂取量、選び方のポイント、そして専門家が厳選したおすすめの葉酸サプリについて詳しく解説します。
1. 葉酸とは?妊活・妊娠に欠かせない理由
葉酸の基本情報(ビタミンB群の一種、造血作用)
葉酸(Folic Acid)は、ビタミンB群の一種であり、水溶性ビタミンに分類されます。
DNAやRNAの合成を助ける働きがあり、細胞の増殖や修復に欠かせません。
また、造血ビタミンとしても知られ、ビタミンB12とともに赤血球の合成をサポートします。
赤血球は酸素を全身に運ぶ重要な役割を担うため、葉酸が不足すると貧血になりやすくなります。
しかし、食事だけで推奨量を十分に摂取するのは難しいため、サプリメントの活用が推奨されています。
葉酸が不足するとどうなる?
1. 貧血(巨赤芽球性貧血)
葉酸は赤血の合成に必要な栄養素であり、不足すると未熟な赤血球(巨赤球)が増加し、正常な赤血球が減少します。
これにより、酸素を十分に確保できなくなり、めまい、息切れ、倦怠感といった貧血症状が現れます。
2.胎児の発育異常(神経管閉鎖障害)
葉酸不足が最も深刻な問題は、胎児の神経管閉鎖障害(Neural Tube Defects, NTDs)です。
これは、胎児の脊髄や脳の形成が不完全になる先天異常であり、「二分脊椎症」や「無脳症」といった重大な疾患を引き起こします。
厚生労働省のデータによると、妊娠初期に葉酸を十分に摂取することで、神経管閉鎖障害のリスクを50〜70%軽減させることができると報告されています。
そのため、妊活中から積極的に葉酸を摂取することが重要です。
3. 流産・早産のリスク増加
葉酸は胎児の細胞分裂を正常に進むために必要な栄養素です。
不足すると、胎盤の発育が遅れ、妊娠を維持する力が弱まり、死亡や早産のリスクが高まる可能性があります。
妊活中・妊娠中・授乳期の葉酸の役割
葉酸は、妊娠の段階ごとに異なる重要な役割を持っています。
それぞれの時期での役割を詳しく見ていきましょう。
1. 妊活中(妊娠を計画している段階)
- 受精卵の着床をサポート
- 子宮内膜の質を向上させることで、妊娠しやすい体作りを変える
- 男性の勃起の質向上(DNA損傷リスクを軽減し、運動率を向上)
妊娠前の女性は、通常の成人推奨量(240μg)に加え、サプリメントなどで400μgの葉酸を摂取することが推奨されています。
2. 妊娠中(特に妊娠初期)
- 胎児の神経管形成を促進し、奇形のリスクを軽減
- 胎盤の発育を助け、妊娠の維持をサポート
- 母親の貧血を守り、健康を維持
特に妊娠初期(妊娠4〜12週)は神経管が形成される時期なので、400μgの葉酸摂取が必須です。
3. 妊娠中・後期
- 赤血球の増産を促進し、妊娠貧血を防ぐ
- 胎児の細胞増殖を助け、健やかな成長を遂げる
この時期になると、鉄分やカルシウムの必要性も高まるため、葉酸と合わせて摂取することが推奨されます。

2. 葉酸の種類と含まれる成分
葉酸は天然葉酸(ポリグルタミン酸型)と合成葉酸(モノグルタミン酸型) の2種類に分けられ、体への吸収率や利用効率が大きく異なります。
また、葉酸の働きをサポートする栄養素や、安全性の指標となる基準についても詳しく解説していきます。
天然葉酸(ポリグルタミン酸型葉酸)とは?
天然葉酸は、野菜や果物、レバー、製品などの食品に含まれる葉酸の形態です。
「ポリグルタミン酸型葉酸」と呼ばれ、その名の通り複数のグルタミン酸が結合した構造を持っています。
しかし、この分解プロセスで一部が失われるため、体内への吸収率は約50%と低めです。
また、食品に含まれる葉酸は熱や光に弱く、調理の過程で破壊されやすいので注意が必要です。
天然葉酸を多く含む食品(一例)
- レバー(特に鶏レバー:100gあたり約1,300μg)
- ほうれん草(100gあたり約210μg)
- ブロッコリー(100gあたり約450μg)
- 枝豆(100gあたり約260μg)
- アボカド(1個あたり約90μg)
- オレンジ(1個あたり約30μg)
合成葉酸(モノグルタミン酸型葉酸)とは?
合成葉酸は、主にサプリメントや葉酸強化食品(通常、パンなど)に使用される人工的に合成された葉酸です。
「モノグルタミン酸型葉酸」と呼ばれ、天然葉酸とは異なり、最初から体内で利用できる形になっています。
このため、体への吸収率は約85%と高く、天然葉酸の約1.7倍の効率で利用されることがわかっています。
そのため、妊活中や妊娠中に葉酸をしっかり補給する必要がある場合は、食事だけでなくサプリメントの活用が推奨されているのです。
【合成葉酸のメリット】
- 吸収率が高い(約85%)
- 品質が安定しています、食品に比べて分解されにくい
- 妊娠初期の葉酸不足を効率的に補える
葉酸の吸収率と効率的な摂取方法
葉酸を効果的に摂取するためには、どの形態の葉酸をどのように摂るかが重要になります。
葉酸 | 吸収率 | 特徴 |
---|---|---|
天然葉酸(ポリグルタミン酸型) | 約50% | 野菜やレバーなどの食品に含まれる。 |
合成葉酸(モノグルタミン酸型) | 約85% | サプリメントや葉酸強化食品に含まれる。 効率的に吸収される。 |
最も効率的な摂取方法としては、「食事+サプリメント」の併用が推奨されます。
そのため、日常の食事で240μgの葉酸を摂取し、サプリメントで400μgを補うことで、理想的な摂取量が確保できます。

添加物の有無や安全基準(GMP認証、無添加など)
サプリメントを選ぶ際には、添加物の有無や品質基準も重要なポイントです。
GMP認証とは?
GMP(Good Manufacturing Practice)とは、厚生労働省が定めた「適正製造基準」であり、この認証を取得した工場で製造されたサプリメントは、安全性が高いとされています。
無添加の重要性
葉酸サプリには、人工着色料・保存料・香料などの添加物が含まれているものもあります。
つまり「無添加」や「GMP認証」された商品を選ぶことで、安全に葉酸を摂取することができます。
- 葉酸には天然葉酸と合成葉酸があり、吸収率に大きな差がある
- 食事+サプリメントの併用が理想的な摂取方法
- ビタミンB12、C、鉄、カルシウムを一緒に摂取すると効果UP
- サプリメントを選ぶ際は、GMP認証や無添加を確認することが大切